BLOG

Claude Codeを活用した業務効率化のための初期設定ガイド
Claude Codeを入れてみたものの、「なんだか、本来の力を引き出せていないな」と感じたことはないだろうか。
すごい道具だと聞いて入れたのに、なんとなく使っているだけで、"ちゃんと使いこなせている"実感がない。
せっかくの相棒を持て余しているような——そんな人も少なくないと思う。
でも、それは能力のせいではない。
むしろ逆だ。
AIは、間違いなく賢い——正直、多くの場面で人以上に。
それでも、うまくかみ合っていないとしたら、原因はたいてい使う側にある。
つまり、自分がまだ、AIという相手の"特性"をつかめていないのだ。
これは、人と人がチームを組むときと、まったく同じだと思う。
相手のクセや得意・不得意を見極めないと、いいチームワークは生まれない。
AIも同じで、この"仕事のパートナー"の性質を知り、こちらが少し歩み寄る必要がある。
だから、学ぶことに意味がある。
そして、その第一歩が初期設定だ。
Claude Codeは、例えるなら育成ゲームに近い。
最初にどんな記憶とルールを与えるかで、その後の働きぶりがまるで変わってくる。
今日は、私自身がつまずきながら整えてきた「最初にやっておくべき設定」を、順番に話していきたい。
まず「どこで使うか」を決める
Claude Codeは、普通のチャットと違って、自分のパソコンのフォルダを指定して作業していくツールだ。
だからまず「どの環境で動かすか」を決める必要がある。
Cursorというエディタで使う方法もよく勧められていて、実際に私も1か月ほど使ってみた。
でも今の私は、デスクトップアプリ版のClaude Codeに落ち着いている。
2週間ほど触るうちにすっかり慣れて、こちらのほうが断然使いやすいと感じるようになった。
理由はシンプルだ。
ターミナルの難しい設定がいらず、インストールすればすぐ始められる。
画面がごちゃつかず、見た目で直感的に操作できる。
そして、コードを書くのも、ブログを書くのも、同じアプリの中で完結する。
「エンジニアじゃないと難しそう」と身構えていたけれど、むしろ非エンジニアにこそ、デスクトップアプリはやさしいと思う。
もちろんCursorが合う人もいる。
いくつか触ってみて、自分がいちばんストレスなく続けられる場所を選べばいい。
AIへの「取扱説明書」を手書きで用意する
次に大事なのがCLAUDE.mdというファイルだ。
これはClaudeがフォルダを開いた瞬間に読み込む"指示書"で、「日本語で答えて」「開発はこの手順で」といったルールを毎回打たなくて済むようになる。
チャットボットでいうシステムプロンプトのようなものだ。
ここはAIに全部自動生成させるより、手書きで、具体的に、そして欲張らず簡潔に書くほうがうまくいく。
迷ったら「この一文を消してもClaudeの動きが変わらないなら、その一文は要らない」と考えるといい。
しかもこのファイルは一つである必要はなく、フォルダごとに置いて階層で設計できる。
全体のルールは上に、案件ごとの細かい約束はその下に、という具合だ。
作業場所(フォルダ)を整える
Claude Codeは、フォルダ構成の良し悪しで使い心地が大きく変わる。
デスクトップに何でも放り込むのをやめて、「仕事」「開発」「個人」と用途ごとに整理し、それぞれにCLAUDE.mdを置いていく。
地味だが、ここを整えるほど後で効いてくる。
繰り返す作業は「スキル」にする
毎回同じ長い指示を打っている作業があるなら、それはスキルにしてしまうといい。
一度気に入ったやり方ができたら「これをスキルにして」と頼むだけで、次からは一言で呼び出せる。
自分専用のショートカットを増やしていく感覚だ。
やってみて分かった、一番のコツ
実際に初期設定をやってみて、一番「やってよかった」と思ったのは、この"自分専用のスキル"を作ったことだ。
実はこの記事も、そうして作ったブログ用のスキルで書いている。
逆に一番迷ったのは、「どのスキルが自分に必要なのか」という見極めだ。
でもこれは、Claude自身に「私はこういう仕事をしているけれど、このスキルは必要?」と一つずつ聞いて棚卸ししたら、あっさり解決した。
全部を入れる必要はない。
分からないことは、AIに相談しながら決めていけばいい。
「今どれくらい使っているか」を見えるようにする
Claude Codeを使っていると、地味に気になってくるのが「今、どれくらい使っているんだろう」ということだ。
使いすぎると待機期間が発生したりする。
"あとどれだけ余裕があるか"が見えないと、なんとなく不安になる。
ここは、うれしいことにデスクトップ版なら設定はいらない。
画面下の「ココ」を開くと、今の状態がひと目で分かるポップアップが出てくる。
私の画面だと、こんなふうに表示される。

見方はシンプルだ。
「コンテキストウィンドウ」は、今の会話が"記憶容量"のどれくらいを使っているか(私のときは83%だった)。
いっぱいに近づくと、Claude Codeが自動で会話の要点を圧縮してくれる。
「5時間制限」「週間」は、プランの枠をどれだけ使ったか(まだ16%、29%と余裕があった)。
「使用クレジット」は、枠を超えたとき用の追加ぶんだ。
ここを時々のぞいておけば、"知らないうちに使いすぎていた"を防げるし、逆に「まだこんなに余裕があるんだ」と安心して作業に集中できる。
ちなみにターミナル版だと/statuslineというコマンドで似た表示を出せるが、デスクトップ版は最初からこれが備わっているので、何もしなくていい。
外部ツールとつなぐ
GmailやSlack、カレンダーやドライブといった普段使うツールは、Claude Codeにつないでおける。
つないでおくと、情報の受け渡しが一気にスムーズになる。
じつは、つなぎ方はひとつではない。
代表的なのがMCPという仕組みで、これが一番かんたんに接続できるので、最初はMCPから始めるのがおすすめだ。
自分ひとりの環境なら気軽に試せる。
ほかにも、ツールのCLI(コマンドで操作する方法)や、API(直接つなぐ方法)といった選択肢がある。
少し慣れてくると、CLI経由のほうがやり取りのムダが少なく、トークン(使用量)を節約できることもある、と言われている。
だから、まずはMCPで手軽に始めて、物足りなくなったらCLIも試してみる——くらいの順番がちょうどいい。
最初から完璧に選ぼうとしなくて大丈夫だ。
自分の使い方に合わせて、少しずつ広げていけばいい。
セキュリティ——ここは人が手放してはいけない
そして、私が一番大事だと思っているのがセキュリティだ。
ここで話すのは、「AIという道具を、安全に使う」ための設定のこと。
使っていて強く感じたのは「速さ」と「安全」は、分けて考えないといけないということだ。
Claude Codeを使い慣れてくると、毎回「これを実行していいですか?」と確認されるのが、だんだん面倒になってくる。
それを飛ばして一気に進める"確認スキップ"のモードもあって、速さは確かに魅力だ。
でも、そこに飛びつく前に、必ずやっておくべきことがある。
「これだけは絶対に実行しないで」という危険な操作を、あらかじめ"禁止リスト"に入れておくことだ。
Claude Codeには、やっていい操作(許可)・その都度確認する操作・絶対にやらない操作(禁止)を、自分で決めておける仕組みがある。
しかも"禁止"は最優先で効く。
だから、たとえ勢いで何度も「OK」を押し続けても、禁止に入れた操作だけは実行されない。
設定のやり方が分からなければ、Claude Code自身に「危険なコマンドを禁止リストに入れて」と頼めば、そのまま設定してくれる。
では、具体的に何を禁止しておくべきか。
私が特に気をつけているのは、次の三つだ。
一つめは、取り返しのつかない削除。
フォルダやファイルを、中身を確認しないまま丸ごと消してしまうような操作は、一度やると元に戻せない。
二つめは、積み上げてきたものを壊す操作。
たとえば、自分やチームがこれまで書いてきたコードを、無理やり上書きして消してしまうような命令だ。
三つめは、機密ファイルの読み取り。
APIキーやパスワード、お客さんの情報が入ったファイルは、うっかり読み込ませない、外に出さないようにしておく。
これは"プロンプトインジェクション"——外部のコードやファイルの中に、AIへの悪意ある指示がこっそり仕込まれていて、それを読んだAIが勝手に秘密を漏らそうとする——という攻撃への備えにもなる。
読み取り自体を禁止しておけば、万が一のときも被害を防げる可能性が上がる。
「速く、便利に」と「安全に」は、どちらか一方を選ぶものではなく、順番の問題だ。
まず危険の芽を止める設定を固める。
そのうえで、安心して速さを取りにいく。
AIに8割まかせても、「何を許して、何を禁じるか」の判断と、最後の責任だけは、人が手放してはいけない。
私はそう思っている。
なお、ここで話したのは、あくまで「AIの使い方」の安全だ。
これとは別に、AIで作った"商品そのもの"を安全にする、という話がある。
私は今、自分のAIチャットボットをStripeで販売する準備の中で、商品側にも業界標準のセキュリティを実装した。
そちらはこの記事の範囲を超えるので、また別の記事であらためて書きたい。
最後に、「記憶」を残して毎朝の迷いをなくす
そして最後は、記憶の残し方だ。
私はObsidianというメモアプリを使っていて、そこにClaude Codeで毎日「進捗ログ」を残してもらっている。
これが、想像以上に効く。
翌日、作業を始めるときに「計画は今ここまで進んでいて、今日はここから着手するといい」と教えてもらえるので、"さあ、今日は何からだっけ"と迷う時間がまるごと消えるのだ。
人に例えるなら、業務日誌をきちんと引き継いでくれる相棒がいるようなもの。
Claude Code自体にも、会話で学んだことを記録して次回に活かす仕組みはあるけれど、それに加えて「自分の手元に進捗を残す」を習慣にしておくと、毎朝の立ち上がりが驚くほど軽くなる。
記憶は、放っておいても育たない。
残す仕組みを作った人のところに、どんどん積み上がっていく。
まとめ
環境を決め、取扱説明書を手書きし、フォルダを整え、繰り返しをスキルにし、外部ツールをつなぎ、セキュリティを固め、記憶を育てる。
こうして一つずつ設定していくと、Claude Codeは見違えるほど頼れる相棒になる。
大切なのは、完璧を一日で目指すことではなく、自分の手で少しずつ育てていくことだ。
それは、誰の許可もいらない。
最後に——"あいまいさ"は、人の仕事
ここからは、私個人の考えだ。
正しいかどうかは分からない。
人は、体を持っている。
衣食住を整えないと生きていけないし、感情もある。
体調もある。
その日の気分で、同じことへの答えが変わることさえある。
何もかもを〇か×かで割り切れない——そういう"あいまいさ"を抱えた生きものだ。
AIは、本当にすごい。
もう多くの分野で、人をはるかに超えている。
それでも、この"あいまいさ"に対する対応だけは、AIにはできないのだ。
だから私は、ここは人が担う場所なのだと考えている。
任せられることは、どんどんAIに任せていい。
そうして空いた時間と心の余白を、「何を大切にするか」「どう在りたいか」という、正解のない問いのほうに使う。
それが、AIと働くということなんじゃないかと思う。
だから今、私もAI-sozoで、AIと人の"役割分担"を試しながら、こうして発信を続けている。
よければ各種SNSもフォローしてください
Xをフォロー