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毎月2万円溶かしていたAI生成、動画も画像も無料にした話

毎月2万円溶かしていたAI生成、動画も画像も無料にした話

いくらちゃんの動画をAIで作るとき
教材動画をAIで作るとき
絵本のイラストをAIで描くとき
書籍の挿絵をAIで用意するとき
ブログのアイキャッチをAIで用意するとき
——そのたびに、心のどこかで電卓を弾いている自分がいた。

AIでの動画生成や画像生成は便利だ。
プロンプトを書いて待てば、それらしいものが出てくる。
でも「それらしい」で終わらないことも多い。
キャラクターの顔が崩れる、動きが不自然、狙った画風にならない。
だから作り直す。
作り直すたびに、クレジットが減る。
減れば、また買い足す

私はここ数か月、いくらちゃんシリーズの動画、教材動画生成、Kindleで出している絵本や書籍の挿絵、ブログの挿絵やアイキャッチと、用途はばらばらでも、生成はすべてComfy Cloud(Nanobanana Pro + MiniMax H3 R2V)頼みで回していた。
便利なサービスだが、動画も画像も、やり直しのたびに追加クレジットを購入していたら、気づけば月2万円ほどの出費になっていた。

「重い」のは料金プランではなく、積み重ね

最初から月2万円の契約をした覚えはない。
動画も画像も、一本・一枚あたりの生成費用は数百円かもしれない。
でも、思い通りの絵や動きが出るまで何度も試す。
絵本や書籍の挿絵は、特にキャラクターの一貫性を求めるぶん、やり直しの回数も増えやすい。
その積み重ねが、月末の請求額になって返ってくる「積み重なるコスト」は見えにくいからこそ怖いというのが、正直な実感だった。

ならば、ローカルで作ればいい

そこで踏み切ったのが、クラウド課金をやめて、動画も画像も、自分のPCの中で生成を完結させることだった。
生成用にRTX 4070 Ti SUPER搭載のデスクトップPCを新調し、いくらちゃんの動画、絵本や書籍の挿絵、教材のイラスト、ブログの挿絵、その全部の生成の主戦場を、ローカル環境のComfyUI(Comfy Desktop)へ移す決断をした。

実際にやってみたら

正直に書くと、身構えていたほど大変ではなかった。
AIに聞きながら、ガイド通りに一つ一つ設定を進めただけだったからだ。
インストール、モデルやノードの導入、キャラクターの再現具合の調整——スクリーンショットは何十枚にもなったが、詰まって長時間止まる場面はほとんどなかった。

画像

画像 ここで一つ、自分でも意外な疑問が浮かんだこの作業、Claude Codeに全部代行してもらうこともできたのではないかと。
実際のところは分からない。
ただ今回はあえて自分の手を動かして進めた。
仕組みを理解しないまま「動いた」だけで終わらせたくなかったからだ。

▶ 実際の生成テスト動画はこちら(動作テスト動画なので画質は悪いです💦)

ちなみに、どんなPCでも動くわけではない

ここは正直に書いておきたい。
ローカルで動画も画像も生成が完結すると聞くと、「じゃあ今持っているノートPCでもできるのか」と思うかもしれない。
答えはノーだ。

AI生成は、グラフィックボード(GPU)の性能、特にVRAM(GPU専用メモリ)の容量に直結する。
非力なGPUやGPU非搭載の薄型ノートでは、そもそも起動すらしない、あるいは動いても実用に耐えない速度になる。

私が今回組んだ環境は、こんな構成だ

パーツスペック
GPUNVIDIA RTX 4070 Ti SUPER(16GB VRAM)
CPUIntel Core i7-14700F
メモリ32GB
ストレージ2TB SSD

安くはない。
ただ、毎月のクラウド課金2万円が消えたことを考えると、1年ほどで元が取れる計算になる。
ここは「無料」の裏側として、正直に伝えておきたい部分だ。
※予算に余裕があるのならば、もっとハイスペックなPCを用意することをお勧めする。

同じ環境を作りたい人のための手順

読んで「自分もやってみたい」と思った人のために、実際にやった手順をそのまま置いておく。

一つ目:PCがこのスペックを満たしているか確認する

項目目安
GPUNVIDIA製・VRAM 16GB以上を推奨(12GBでも軽量モデルなら動く可能性あり)
CPUIntel Core i7クラス以上
メモリ32GB以上
ストレージ空き2TB程度(モデル1つで20GB超えることがある)
OSWindows 10以降、またはApple Silicon搭載Mac

二つ目:Comfy Desktopをインストールする

ComfyUI本体を直接入れるのではなく、まずComfy Desktopという管理アプリを入れる。
Python環境やモデル管理を自動でやってくれるので、初心者はこちらから始めるのが早い。

公式ダウンロードページ:https://www.comfy.org/download

ページを開くと自分のOS(Windows/Mac/Linux)を自動判定してインストーラーを案内してくれる。
ダウンロードした実行ファイルを開き、案内に沿って進めればインストールは完了する。

三つ目:テンプレートを選ぶ

インストールが終わったら起動し、ワークフローのテンプレート一覧から動画生成用のテンプレートを探す。
ここで一つだけ注意点がある。

同じMiniMax H3系のテンプレートでも、王冠マークとAPIタグが付いているものはComfy Cloudの課金版だ。
無料でローカル完結させたいなら、王冠マークもAPIタグもついていない、無料のローカル版テンプレートを選ぶ。

画像

四つ目:モデルは基本、自動ダウンロードに任せる

Comfy Desktopのテンプレートには、必要なモデルの情報があらかじめ組み込まれている。
テンプレートを開いて生成を実行しようとすると、足りないモデルがあれば自動でダウンロードを促してくれる仕組みになっているので、最初はここで手動でモデルファイルを探し回る必要はない。

生成の速度を上げたい場合は、4ステップで生成できる高速化用のLoRA(追加の軽量モデル)を入れる方法もある。
配布元はこちら

LoRA配布元(Hugging Face):https://huggingface.co/lightx2v/Minimax-h3-Turbo

このあたりは初回は無理に触らず、まずは自動ダウンロードされる標準構成で一度動かしてみることを勧める。

五つ目:生成するときに、一番間違えやすいポイント

参照画像をアップロードしただけで安心してはいけない。
テンプレートに最初から入っているプロンプト文(例:見知らぬヒーローの物語、のような英語のサンプル文)を残したまま参照画像だけ差し替えると、参照画像は無視されてプロンプト文の内容が優先された絵が出てしまう。

画像

プロンプト文は、必ず自分がアップロードした参照画像の内容・構図と一致する内容に書き換える。
<Picture 1>のような画像を紐付ける記法だけは消さずに残しておく。

六つ目:生成中、PCが重くなるのは仕様

初回の生成は、モデルの読み込みも含めてかなり時間がかかる。
GPU使用率が100%に張り付き、PC全体の動作がもたつくのも異常ではなく、大きなモデルを動かしている以上の自然な挙動だ。
動画編集など他の重い作業は、生成が終わるまで控えるのが無難。

七つ目:うまくいかなければ、無理せずクラウドに戻る

ローカルでの生成が遅すぎる、画質が足りない、そもそも動かない——こうした壁にぶつかったら、無理にローカルで粘る必要はない。
その作業だけクラウド版のサービスに戻す、という選択肢も残しておくと気が楽になる。
無料化は目標ではあるが、意地を張る理由にはならない。

無料化はできた、その先で気づいたこと

結果として、動画も画像も、生成の月々の課金はなくなった。
かかるのは電気代とPCの初期投資くらいで、いくらちゃんの動画だろうと、絵本や書籍の挿絵だろうと、教材のイラストだろうと、ブログのアイキャッチだろうと、何度やり直しても追加費用がかからない。

ここで伝えたい本音は一つだ個人でも、工夫すればコストはコントロールできる。
大きな会社のように潤沢な予算があるわけではない。
だからこそ「課金して待つ」以外の選択肢を、自分で作る必要がある。
ローカル環境への移行は、その選択肢の一つだった。

AIに任せること、自分の手でやる意味

ここが今回いちばん考えさせられた点だ。
作業自体はAIに聞けばほぼ全部教えてもらえる。
だとすれば、判断さえすれば実行まで丸ごとAIに渡すこともできるはずだ。
それでも今回は自分の手を動かした。
理由は、仕組みを理解しておけば、次にエラーが起きたときも、新しいモデルを試したいときも、自分の判断で対応できるからだ。

「AIに全部やらせる」ことと「AIに教わりながら自分でやる」ことは、似ているようでまったく違う。
前者はその場をしのげる。
後者は、次も自分の力で対応できる土台になる。

大きな組織の判断を待たなくていい

動画生成や画像生成の課金プランは、サービス側が決めるものだ。
値上げされれば従うしかない。
でも「別のやり方を自分で作る」ことは、誰の許可もいらない。
実際、ローカル環境に切り替えただけで、動画も、絵本も、書籍の挿絵も、毎月の出費はゼロに近づいた。

だから今、AI-sozoでは、こうした「自分の手で工夫してコストや仕組みをコントロールする」実践を、一つひとつ記録して発信している。

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