← 記事一覧へ

BLOG

AIに書かせた文章の「AIっぽさ」をなくしたい——その作業自体をAIにまかせてみた

AIに書かせた文章の「AIっぽさ」をなくしたい——その作業自体をAIにまかせてみた

AIが書く文章は、なぜか読みにくい

Claude Codeに業務用のドキュメントを書かせる機会が増えた。
内容はおおむね正確だ。
それなのに、読み返すたびに、どこか?引っかかる。
そう感じたことはないだろうか。

具体的に言うと、効果の中身を書かずに「効く」の一語で済ませる。
頼んでもいないのに「AではなくB」等の否定形から入る。
主語が抜けていて、誰が何をするのかが、よくわからない。
「です・ます」と同じ文末が続いて、文章が単調になる。

これは、能力が足りないからではない。
AIの日本語文章生成には、ある種の共通した“癖”がある。
そのように考えたほうがいい。

AIの書き癖の正体

よく出る癖実際の見え方
効果を語らない「効きます」「効果があります」とだけ書き、何にどう効くのかが書かれていない
頼んでいない対比「AではなくB」と、否定から入る構文を勝手に選ぶ
主語の脱落文頭がいきなり助詞から始まり、誰がするのかが、よくわからない
文末の単調さ「です・ます」が何文も連続し、リズムが単調になる

最初は、見つけるたびに手で直していた。
次に、CLAUDE.mdのような規約ファイルに「この表現は使わない」と書き加えた。
それでも、同じ表現が頻発する。
会話が長くなるほど指示は薄まっていくし、モデルが変われば癖の出方も変わる。
人間の目視&修正作業が、正直めんどうくさい。

「毎回、自分で同じ修正作業をしている」
ルール化してみたけど、あまり、効いていないようだ。
何か?もっと、良い方法があるのでは? と考え始めた。

書いた直後にAIで検査し、書き直させる

そこで発想を変えた。
書かせる前のルールに頼るのではなく、書いた直後にAIで検査し、引っかかったらAI自身に書き直させる仕組みを作ることにした。

Claude Codeには、ツール実行の節目に自作のスクリプトを差し込めるHookという機能がある。
ファイル編集直後に発火するものはPostToolUseと呼ばれる。

ファイルへの書き込みが起きるたびに、その内容をNGパターンの一覧と突き合わせ、該当があれば「その文を丸ごと書き直せ」という指示をAI自身へ返す。

処理を止めずに直させるのがポイントだ。
単語だけを別の言葉に置き換えさせると、意味不明な文章になることもある。
だから「文脈ごと書き直す」ことを求める設計にした。

ここまでは、順調だった。

最初のつまずき——Hookは、下書きには効かなかった

ところが、実際に、自作したブログの下書き管理画面を確認してみたところ、想定通りにはできていなかった。
私がブログ記事を書くとき、Claude Codeでファイルを編集することはほとんどない。
ダッシュボードの「元ネタから下書きを作成」欄に元ネタを貼り付け、OpenAIのAPIに生成させ、その結果をSupabaseへ直接保存している。
ローカルにファイルとして書き出す工程が、そもそも存在しなかった。

つまり、ファイル編集の直後に発火するHookでは、捕まえられない。
仕組みとしては正しくても、設置場所を間違えていたのだった。

生成の中に検査ループを組み込む

そこで、チェックを差し込む場所を変えた。
ファイルの書き込みではなく、下書き生成のAPI呼び出しそのものに検査ループを埋め込む。
流れはこうだ。

①私が、ブログの元ネタをしゃべる。
②AIが、元ネタから下書きを生成する。
③AIが、生成された本文を、NGパターンの一覧と文末の単調さで検査する。

引っかかった箇所があれば、
「この指摘を反映して、JSON全体を同じ形式で書き直してください」
という指示を、AIが会話履歴に積み、もう一度APIを呼ぶ。
問題がなくなるか、設定した上限回数に達したら、そこで終了する。

Hookを使ったローカル完結の設計から、生成APIそのものを包むループへ。
手法は変わったが、狙いは同じだ。
書いた直後に、AI検査し直させる。

AIに任せること、人が手放してはいけないこと

この仕組みを入れて実感したのは、「全部AIに任せる」のではなく「AIに8割の下ごしらえをさせて、人は判断に集中する」という役割分担だった。

AIが検出できるのは、あくまで決まったパターンのみだ。

・「効く」の一語で済ませていないか
・対比が頼んでもいないのに出てきていないか
・文末が単調になっていないか 等…
——ここまではルールと正規表現で十分に拾える。

だが、
「この表現はOKなのか?」
「小説のような創作物にも同じルールを当てはめていいのか」
という判断を、AIに任せてはいけない。

実際、この仕組みは、ブログ記事にだけ適用し、小説サイト「時の杜」では対象外にすると決めた。
小説ジャンルにおいては、技法=没個性=デメリットになると考えたからだ。

小説サイト「時の杜」も、AIを使って執筆している。
だが、小説の場合は、五十音 百(著者)の世界観が大切だ。
著者らしさ=言葉の選び方や言い回し、癖が個性となる。
AIで、小説を金太郎飴のように量産することを目的としてない。

小説のジャンルでは、雰囲気=空気感が重要だ。
だから、小説サイト「時の杜」には採用しなかった。

指摘がそのままルールになる仕組みへ

もう一つ、こだわった点がある。
検査のルールを、最初から決め打ちしないことだ。

私が実際に「ここはこう直したい」と指摘するたびに、ルールが増えていく設計にした。
これまでは修正毎に、手動でルールファイルへ追記していたが、一歩進めて、修正内容をClaude Code自身がその場でルール化し、自動的にファイルへ追記してくれるようにした。
次に同じミスが現れた時には、私が指摘する前にAIが気づいて直してくれる。

この仕組みを導入してから、修正回数が目に見えて減っていった。
少しうれしかった。

おわりに

使っているAIツールの持つ「癖」に合わせて、人側が柔軟に対応して、楽をする。
ぜひ、あなたも試してみてほしい。

何から手をつけたらいいのか?わからない。
AI化したい作業がある。
AI導入してみたけど、思ったほど楽になってない。
そのような時には、AI活用セルフ診断を試してみてほしい。

AI活用セルフ診断を試してみる→

記事一覧へ →