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AI時代のアウトプットを加速する「拡散ドラフト法」の実践法

AI時代のアウトプットを加速する「拡散ドラフト法」の実践法

AIに頼んでいるのに、なぜか時間がかかる——そう感じたことはないだろうか

AIに文書や資料を作ってもらっているのに、思ったよりアウトプットのスピードが上がらない。
そう感じている経営者は、実は少なくない。

そして、その原因は、AIの性能ではないことが多い。
多くの人が、AIに対しても「人に仕事を頼むときと同じやり方」をしてしまっていることが原因なのだ。

一つ目の項目を頼んで、確認して、直す。
それが終わってから、二つ目の項目を頼んで、確認して、直す。
順番に、丁寧に。
これは、人間のチームに仕事を振るときの正攻法=自己回帰的(ウォーターフォール型)アプローチだ。
けれども、AI相手の場合は、この「正攻法=自己回帰的アプローチ」がかえって時間を食う原因になってしまうのだ。

なぜ「一つずつ」だと遅いのか

従来のやり方は、最初の項目を完成させてから次に進む。
だから、全体の3割まで進んだ時点では、まだ全体像が見えていない。
あとになって「全体としてのバランスが悪い」と気づいて、すでに完成させた部分まで直すことになる。

これに対して、「拡散ドラフト法」と呼ばれる手法がある。
拡散ドラフト法とは、生成AIを活用して文章や資料を作成する際、「最初に一気全体像(ドラフト)を出力させ、大きな枠組みから段階的に修正・解像度を上げていくワークフロー(仕事術)」のことである。
全体像が最初に見えているので、そのあとの修正が、行き当たりばったりにならない。

私の場合は、以下の流れで作業している。

①作成したい「完成物」の大枠のイメージを、音声入力で割としっかりClaudeのコワークに伝える。
※すでに、ある程度のコンテキストがあるから、80%くらいの仕上がりで上がってくる。

②成果物をPCで確認しながら、スマホのClaudeに音声入力で、修正希望個所や率直な感想をどんどん伝えていく。

③修正された資料を再び確認する。

④ ②③を何度か繰り返す。

⑤資料が完成する

フィードバックにも、順番がある

全体を作らせたあとのフィードバックにも、コツがある。
いきなり細かい言葉づかいを直しにいかない、ということだ。

まずは、大まかな構成を見直す。
次に、各セクションの中身を確認する。
最後に、細かい表現や文体を整える。
大枠から、セクション、そして細部へ。
①大枠を決める
②細部を整える

この順番を守るだけで、全体の流れを見失わずに、精度の高い修正ができる。

逆の順番でやってしまうと——最初の一文を完璧に仕上げたあとで、章ごと構成を変えることになった、というようなことが起きる。
せっかく直した細部が、また作り直しになる。

この手法が効くのは、自分の専門分野だけ

一つだけ注意点がある。
拡散ドラフト法が機能するのは、自分がある程度、知識を持っている領域だけだ。

まったく知らないテーマだと、AIが一気に出してきた全体像が、そもそも合っているのかどうか、判断のしようがない。
AIに全体を任せられるのは、間違いを見抜ける自分がいるときだけだ。
知らない分野で拡散ドラフト法を使うと、最もらしく見える誤りを、そのまま見過ごしてしまい、大事故になりかねない。

自分のキャパを超えて広げない

もう一つ、見落とされがちな注意点がある。
AIが一気に生成してくる量を、自分が処理しきれる範囲に留める、ということだ。

一度に確認できるのが、たとえば1万文字程度だとしたら、それを超える量を一気に出させても、結局きちんと見きれずに終わる。
全体を一気に作らせる目的は「早く終わらせる」ことではなく、「全体の整合性を保ちながら進める」ことだ。
自分の目が届く範囲を超えてしまっては、本末転倒になる。
※速読術は、この助けになるかもしれない。

AIに任せること、人が最後まで手放してはいけないこと

拡散ドラフト法で、AIに任せるのは「最初の全体像を出す」というスピードの部分のみだ。
人が最後まで手放してはいけないのは、「これは正しいか」「この内容で合っているか」という判断部分になる。

全体を一気に作らせて終わり、ではない。
大枠、セクション、細部という順番で、自分の目でフィードバックを重ねていく。
ここまでやって、はじめてこの方法は機能する。

今日から試せる3つの一歩

一つ目は、まず自分が詳しい領域で試してみること。
苦手分野と「拡散ドラフト法」は、非常に相性が悪い。

二つ目は、一度に確認できる量を決めておくこと。
1万文字なら1万文字、と自分の中で上限を決めてから、AIに全体像を出させる。

三つ目は、フィードバックの順番を守ること。
大枠を見て、セクションを見て、最後に細部を見る。
この順番を飛ばさない。

間違った場所で戦うのをやめる

AIを使っているのに時間がかかるとき、多くの人は「もっと細かく指示しなきゃ」と、一つずつの精度を上げる方向に努力を向けようとする。
けれど、本当に効くのは、順番そのものを変えることだったりする。

大きな組織のやり方に合わせるのではなく、自分に合った仕事の進め方を、自分の手で作ることは、誰の許可もいらない。

だから今、AI-sozoを育てている。

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