← 記事一覧へ

BLOG

提案書に何時間もかけていた作業を、AIに"下ごしらえ"させてみた

提案書に何時間もかけていた作業を、AIに"下ごしらえ"させてみた

提案書に、思った以上の時間がかかる。

そう感じたことはないだろうか。

言いたいことは、もう頭の中にある。
勝ち筋も、だいたい見えている。
それなのに、体裁の整った一枚に仕上げるまでに、気づけば何時間も溶けている。

これは、能力が足りないからではない。
「提案書づくり」を、ひとつの重い作業だと思い込んでいるからだ。

「提案書が重い」のは、実はいくつもの工程が重なっているだけ

分解してみると、見え方が変わる。

競合を調べる。
自社の現状を診断する。
勝ち筋を考える。
キーワードを選ぶ。
数字を表やグラフにする。
最後に、体裁を整える。

これを丸ごと「AIにやって」と投げるから、無理に感じる。
けれど一つずつに分けると、そのほとんどがAIの得意分野で、「人にしかできない判断」と「本物のデータが要る場所」だけが、その中に混じっているだけだった。

先日、ある地方の動物病院さま(名称・地名は伏せる)向けのSEO・MEO提案書で、実際にそれを試してみた。
その一連の作業工程を、ここに残しておきたい。

AIに"下ごしらえ"を任せてみた

まず、競合のサイトと、お客さまのサイトを、AIに実際に読み込ませた。

ページの構成。
情報の量。
見出しの設計。
予約やLINEといったオンライン導線の有無。

人が数サイトを読み込む、あの一番重い時間が、ここで大きく縮む。

読み取った差は、そのまま表とグラフにした。
「ページ数」「明示された診療科目の数」「オンライン機能の数」。
数字にして並べると、言葉で説明するより、ずっと静かに説得力が出る。

キーワードの候補出しも、AIの得意分野だった。
ただし、検索ボリュームという「本物の数字」だけは、AIには作れない。
ここを推測で埋めさせると、もっともらしい嘘になる。

けれど、行き止まりではない。
検索ボリュームを調べる専門ツール(Semrushなど、多くは有料だ)を、AIに「つないで」おく。
すると、その実数値までAIが自動で引いてきて、表に差し込んでくれる。

だから、コツはこうだった。
判断はAIに任せ、数字は本物のデータ源につなぐ。
「AIが作れないもの」を、無理にAIに作らせない。
そこを分けておくことが、たぶん一番のコツだった。

いちばんの壁は、「会社のテンプレートに流し込む」ところだった

提案書の多くは、PowerPointでできている。
しかも、会社ごとに決まったひな型がある。

無料のAIが苦手なのは、まさにここだ。
決まったテンプレートを崩さずに、そこへ文章だけを流し込む、という作業。

今回は、デザイン済みのテンプレートを土台にして、AIが用意した文章・表・グラフを、その中へ流し込む形にした。
フォントも、配色も、レイアウトも、そのまま。
入れ替わるのは、中身だけ。

案件ごとにゼロから作り直す必要が、なくなる。
次のお客さまは、中身を差し替えるだけでいい。

今回土台にした、この配色・レイアウトのテンプレート(PowerPoint、サンプル)は、こちらからダウンロードできる。
中身を差し替えれば、そのまま自分の提案書として使える形になっている。

📄 テンプレート(PowerPoint形式)をダウンロードする →

そして、AIの"それっぽい嘘"をどう潰すか

AIの分析には、ひとつ、正直に向き合うべき弱点がある。

実際のページを読まずに、「たぶんこうだろう」と、もっともらしい嘘を混ぜてしまうことだ。

1年ほど前、AIに競合分析をさせたとき、実際のサイトと突き合わせてみたら、4割ほどが間違っていたことがあった。
だから今回は、生成したあとに、一つずつ実サイトと照らし合わせる工程を入れた。
その記述の根拠が、本当にページに書いてあるか。

すると、「見出しが弱い」という指摘が、事実と違っていたことに気づいた。
放っておけば、そのままお客さまに渡っていた一文だ。

大事なのは、AIが勝手に賢くなったわけではない、ということ。
実際のページを読ませる。
根拠を引用させる。
検証の工程を挟む。
最後に、人の目で確かめる。

この四つをそろえて、はじめて実用に耐える精度になる。

AIに任せること、人が手放してはいけないこと

整理すると、こうなる。

サイトを読み込み、診断し、文章にし、対策案を並べる。
そうした重い下ごしらえは、AIが担う。

一方で、勝ち筋の最終判断も、狙うキーワードの取捨も、事実の確認も、人がやる。
そこは、長く現場を見てきた人の経験そのものであって、AIに丸投げする場所ではない。

「全部AIにやらせる」のではない。
「AIが8割の下ごしらえをして、人は判断と確認に集中する」。
それが、半自動化の現実的な姿だった。

ChatGPTやGeminiでもできるのか

よく聞かれる。
答えは、「ツールの名前」ではなく「使い方」で決まる、だと思う。

いまのAIは、大きく二つに分けて考えると、見通しがよくなる。

ただ答えるAI —— ChatGPT / Claude / Gemini

普段チャットで使う、あの対話型だ。

ChatGPT(OpenAI)は、幅広い質問に器用に答える。
Claude(Anthropic)は、長い文章や丁寧な文章づくりが得意。
Gemini(Google)は、検索やGoogleのサービスとの相性がいい。

どれも優秀だ。
ただ、その本質は「言葉で返す」ことにある。
コードを動かす機能を使えばファイルを書き出すこともできるが、そこは主戦場ではない。

手を動かすAI —— Cowork / Claude Code / Codex

もう一つが、エージェント型と呼ばれるものだ。

Cowork(Claudeの「コワーク」機能)、Claude Code(Anthropicの、ターミナルで動く開発者向けツール)、Codex(OpenAI)。
これらは、ただ答えて終わらない。
実際にファイルを読み書きし、コードを書いて動かし、作っては確かめ、直す——。
その一連の作業を、自分の手で回していく。

(同じClaudeでも、チャットは"答える"側、コワークやclaudecodeは"手を動かす"側、と分かれている。)

今回の提案書も、私はこの「手を動かすAI」、Claudeの「コワーク(Cowork)」で作った。
※このサイトは、claudecodeで作成している。

サイトを調べる。
数字を表やグラフにする。
会社のテンプレートへ流し込む。
検証して、直す。

この止まらない一連の作業は、チャット型ではなく、こちらの領分だ。

差は、ブランドではない

だから、「ChatGPTでは無理?」への答えはこうなる。

普通のチャット画面のままなら、たしかに苦手だ。
けれど、同じOpenAIでもCodexのような"手を動かすモード"を使えば、近いことはできる。

つまり、分かれ目はメーカーの名前ではない。
「ただ答えるAI」か、「手を動かすAI」か。
その違いなのだ。

こうして、一つの提案書が出来上がった

表紙も、目次も、比較の表も、グラフも。
Googleマップでの見え方も、導入イメージも。
モノクロで印刷しても崩れない、一つの提案書になった(名称・地名・URLは伏せている)。

何時間もかかっていたはずのものが、驚くほど短い時間で出来上がった。

だから今、AI-sozoでこれを作っている

こうした変化を、自分の職場でも体感してきた。

大きな組織の評価が変わるのを待つより、自分の手で仕組みを作るほうが、ずっと早い。
そしてそれには、誰の許可もいらない。

AI-sozoでは、個人事業主や中小企業の方が、こうしたAIの下ごしらえを自分の仕事に取り入れられるよう、支援している。
私と同じように「時間が足りない」と感じている人が、少しでも前に進むきっかけになればと思う。

どの業務からAIに任せると効果が大きいか。
まずは、無料のAI活用セルフ診断で確かめてみてほしい。

無料で診断してみる →

記事一覧へ →