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データの入力と集計に追われて、本来の仕事が進まない——「表に起こす」「式を書かせる」「手順を固定する」で軽くする

データの入力と集計に追われて、本来の仕事が進まない——「表に起こす」「式を書かせる」「手順を固定する」で軽くする

今日やりたかった仕事に、まだ手をつけていない。
気づけば、伝票の数字を打ち込んだり、表を足し合わせたりして、夕方になっている。

そう感じたことはないだろうか。

データの入力や集計は、頭を使わない作業のように見える。
けれど、量が多いと、集中力も時間もじわじわ削られていく。
本来やりたい仕事にたどり着く前に、体力が尽きてしまう。

これは、要領が悪いからではない。
「人が手で打ち込む」以外のやり方を、まだ選んでいないだけのことが多い。

入力と集計の作業は、三つに分けられる

何を、どこまで機械に任せられるか

一口に「データ作業」と言っても、中身は違う。

作業例AIとの相性
表に起こす紙の伝票、PDFの請求書、写真に撮った書類を表にする読み取りが得意。
ただし読み間違いはある
集計・加工する合計、月ごとの集計、並べ替え、重複の削除式やマクロを書かせるのが得意
同じ作業を繰り返す毎月の売上まとめ、毎週の報告用の表手順を固定すれば、ほぼ自動にできる

自分の作業がどれに当たるのかを、まず見きわめる。
それだけで、どこにAIを使えば効くのかが見えてくる。

手順一:紙・PDF・写真を、AIで表に起こす

写真を撮って、表にしてもらう

紙の伝票やレシートは、スマホで撮った写真をAIに渡して、表にしてもらえる。

「この写真の内容を、日付・取引先・品目・金額の四つの列がある表にしてほしい。
読み取れない部分は空欄にして、『要確認』と書いてほしい」

ここでも、最後の一文が大事だ。
AIは、読みにくい文字を「それらしい数字」で埋めてしまうことがある。
読み取れないところは空欄にして目印をつける。
そう頼んでおけば、人が確認すべき場所が、一目でわかる。

個人情報は、写す前に隠す

伝票や書類には、お客さまの名前、住所、電話番号が載っていることがある。
そうした部分は、隠してから撮る、あるいは置き換えてから渡す。
AIに渡した内容の扱いは、使うサービスや設定によって違う。
迷ったときは、渡さないのがいちばん安全だ。

手順二:集計の式やマクロを、AIに書かせる

やりたいことを、日本語でそのまま伝える

ExcelやGoogleスプレッドシートの関数が苦手でも、大丈夫だ。
やりたいことを、そのまま日本語で伝える。

「A列に日付、B列に取引先、C列に金額が入っている。
取引先ごと・月ごとの合計を、別のシートに一覧で出す方法を教えてほしい」

返ってきた式や手順を、実際の表に貼って試す。
うまくいかなければ、エラーの内容をそのままAIに見せて、直してもらう。
関数の名前を覚えていなくても、目的が言えれば進められる。

マクロは、動かす前に中身を確認する

繰り返しの作業なら、マクロ(自動処理のプログラム)をAIに書いてもらう手もある。
ただし、マクロは表のデータを書き換えたり消したりできてしまう。
動かす前に、元のファイルのコピーを取っておく。
そして、何をするマクロなのかを、AIに日本語で説明してもらってから動かす。
意味がわからないまま、本番のファイルで動かすのは避けたい。

手順三:毎回同じ作業は、手順を固定する

一度決めたやり方を、書き残しておく

毎月同じ集計をしているなら、AIへの頼み方も、毎月同じでいい。
頼み方を、メモとして残しておく。

残しておくもの例
元データの形列の並び、日付の書き方
頼み方の文面毎回そのまま貼れる形にしておく
出力の形どの列に何を出すか、並べ方
確認する点合計が元データと一致しているか

こうしておくと、翌月は「元データを貼って、決まった頼み方を貼る」だけで済む。
毎回ゼロから考え直す時間が、なくなっていく。

つまずきやすいのは、元データの形

集計が合わない原因は、たいてい入力のばらつき

集計がうまくいかないとき、原因は式ではなく、元のデータにあることが多い。
たとえば、次のようなばらつきだ。

ばらつき例
表記の揺れ「株式会社ABC」と「(株)ABC」と「ABC」が混ざっている
日付の書き方「2026/9/1」と「9月1日」と「R8.9.1」が混在している
全角と半角数字が全角で入っていて、合計できない
空白や改行見えない空白が入っていて、同じ名前として数えられない

こうした整理も、AIが得意な作業だ。
表の一部を見せて、「表記の揺れを見つけて、統一する方法を教えてほしい」と頼む。
元データが整えば、集計の式は驚くほど単純で済む。

入力のルールを、最初に決める

これから入力するデータなら、最初に入力のルールを決めておくほうが、あとが楽になる。
日付はこの書き方、会社名は略さない、金額は半角数字だけ、というように。
ルールをAIに整理してもらい、入力する人全員で共有しておけば、集計のたびに整える手間が減る。

AIの集計を、そのまま信じない

数字は、人が照合する

入力と集計は、数字の仕事だ。
数字は、一つ間違うだけで、あとの判断が全部ずれる。

だから、AIが出した結果は、元のデータと突き合わせる。
合計が合っているか。
件数が減っていないか。
読み取った金額の桁が、ずれていないか。

全部を見なくてもいい。
合計の数字と、件数と、数件のサンプルだけでも、照合しておく。
これは、提案書の作業でも学んだことだ。
AIの「それっぽい誤り」は、提案書の記事で書いたとおり、確認の工程を挟まなければ見つからない。

AIに任せること、人が持つこと

AIに任せてよいこと人が持っておくこと
写真やPDFの表への書き起こし読み取り結果の照合
式やマクロの下書き動かす前の確認とバックアップ
繰り返し作業の手順づくり集計結果の最終判断

「AIが下ごしらえをして、人は判断と確認に集中する」 データ作業でも、この形がいちばん現実的だった。

手を動かす時間を、考える時間に回す

入力と集計の時間が減ると、その分の時間が空く。
その時間で、数字の意味を考えたり、お客さまと話したりできる。
本来やりたかった仕事に、やっと手が届く。

大きな組織の仕組みが変わるのを待たなくても、自分の作業は、自分の手で軽くできる。
それには誰の許可もいらない。

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